米コロンビア大は6日、今月15日に予定していた全体の卒業式を中止すると発表した。同大は、全米各地の大学に広がったイスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃に抗議するデモの「震源地」で、安全上の懸念を理由の一つに挙げた。代わりに専攻分野ごとに小規模な式典を実施するとしている。
コロンビア大では4月30日、デモ隊の一部が建物を占拠。これを受け、大学の要請で出動した警察が突入して強制排除に踏み切り、逮捕者が出た。同大は5月17日まで、キャンパス内に警察を配置するよう求めた。
米紙ニューヨーク・タイムズによると、コロンビア大の広報担当者は「卒業式を実施する上で、安全上の懸念を克服することは不可能だ」と説明。代替地も確保できなかったとして「学生同様、この結果に深く失望している」と述べた。
米国の各大学では5月半ばに卒業式シーズンを迎える。ただ、反戦デモによる混乱の影響で、これまでに西部カリフォルニア州の南カリフォルニア大も卒業式の中止を決めた。【ニューヨーク中村聡也】
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