24億円あまりという巨額の不正送金をしたとして訴追された、大谷選手の元通訳・水原一平容疑者。どのようにしてスポーツ賭博にのめり込んでいったのか、徐々に明らかになってきました。
■24億円超の不正送金か 水原容疑者の手口は 「信頼関係を悪用し…」
多額の賭博を続けるために、水原容疑者が利用したのは、約6年にわたって築き上げた大谷選手との信頼関係でした。
アメリカ連邦検察の会見(ロサンゼルス・12日)
「水原容疑者は大谷選手の信頼関係に基づいて、大谷選手の資産への特別なアクセス権を持っていた。水原容疑者は、その信頼関係を利用し、悪用して、大谷選手の銀行口座から1600万ドル(約24億5000万円)を略奪した」
アメリカ連邦警察は、大谷選手の口座から日本円で約24億5000万円を不正に送金した「銀行詐欺の疑い」で、元通訳の水原一平容疑者を訴追したと発表しました。その手口については…
アメリカ連邦検察の会見(ロサンゼルス・12日)
「高額送金を行うため、水原容疑者が大谷氏になりすまして、銀行とやり取りした通話記録が複数回ある」
銀行の記録によると、取引確認などが通知される連絡先は水原容疑者に変更されていたといいます。さらに…
アメリカ連邦検察の会見(ロサンゼルス・12日)
「水原容疑者は、大谷氏の代理人たちが口座にアクセスすることを拒んでいた。“大谷氏が口座を私的なものにしたがっている”と伝えたのです」
■巨額賭博の一部始終「母にかけて誓う これが最後だ 何度もすまない」
検察の資料から、違法賭博にのめり込んでいく水原容疑者の様子も明らかになりました。
水原容疑者が違法なスポーツ賭博を始めたのは2021年9月のこと。
【2021年9月 アメリカ連邦検察の資料より】
水原氏「サッカー(賭博)でふざけて遊んでいるんだ(笑)(賭けたチームは)完敗だった!!!)」
そこからわずか4か月後、水原容疑者に変化が見られるようになります。
【2022年1月 アメリカ連邦検察の資料より】
水原氏「賭博の上限額を引き上げてくれる?全額負けてしまった」
賭博の元締め側「限度額を5万ドル(約770万円)にした」
掛け金の限度額を上げるように依頼したのです。検察によると、これは元締めの常套手段の一つで、限度額を上げて損失の埋め合わせをさせることで、水原容疑者に違法賭博を続けさせていたとみられています。状況は瞬く間に悪化…
【2022年11月 アメリカ連邦検察の資料より】
水原氏「僕はスポーツ賭博が下手だ(笑)また僕に賭けさせてもらえる?知っての通り、“負け逃げ”の心配をする必要はないよ!!」
その後も…
【2022年12月 アメリカ連邦検察の資料より】
水原氏「もう20万ドル(約3060万円)頼む。母にかけて誓うよ。これが最後だ 何度もすまない」
賭博の元締め側「問題ない。手続きしておいた。メリークリスマス」
■「水原容疑者は電話が多い人」大谷選手を取材する記者が抱いた印象
水原容疑者からの連絡が途絶えると、元締めからこんなメッセージが送られてきました。
【2023年11月 アメリカ連邦検察の資料より】
賭博の元締め側「イッペイ、金曜日の2時になった。 なぜ折り返しの電話がないんだ。大谷選手が犬を連れて歩いているのが見えるが彼に話しかけようか。すぐに電話をくれ」
現地で大谷選手を取材している、スポーツニッポンの柳原記者は水原容疑者についてこう語りました。
スポーツニッポン MLB担当 柳原直之記者
「水原さん、すごく電話が多い人として知られていて、スポンサーの方々への電話の調整とか、大変なんだなと思いながら見ていたのですが、今思えば違う電話もあったのではないかな」
3月に問題が報じられた直後には、水原容疑者と元締めとの間でこんなやり取りも…
【2024年3月 アメリカ連邦検察の資料より】
水原氏「報道は見たか?」
賭博の元締め側「見た。でたらめだろ?君は盗んでいない」
水原氏「厳密に言うと盗んだんだ。もう僕は完全に終わりだ」
水原容疑者は、日本時間13日早朝に出廷する予定です。
■大谷選手側に処罰感情は? 水原容疑者 「窃盗罪」問われる可能性も
喜入友浩キャスター:
驚きの金額です。水原容疑者が賭博でこれまでに▼負けた総額は約280億円 ▼勝ち総額は約220億円 ▼損失はトータルで約62億円余りとなっているそうです。また、1回の賭け金の最高額は約2450万円だったということです。
上村彩子キャスター:
賭博の元締めへのメールには『限度額を広げてほしい』という内容のメールを送っていたことも明らかになっています。賭けた金額、そして回数を見ましても想像を超えていて、ギャンブルは、改めて恐ろしいなと思いました。
喜入キャスター:
今回、水原容疑者は『銀行詐欺罪』で訴追されています。銀行を騙して不正利益を得る犯罪で、最長 禁錮30年という重い罪となっています。
水原容疑者の今後について、カリフォルニア州で弁護士資格を持つ清原博さんによりますと、
▼13日に裁判所が水原容疑者に「容疑について」聞く
▼水原容疑者が勾留されることはなく、日本でいう在宅起訴、家にいながら裁判が続く
▼刑は禁錮15年ほどになるのでは 。検察が司法取引に応じると、7~8年短くなる可能性も
▼大谷選手の口座からの窃盗罪に問われる可能性も
⇒大谷選手側に処罰感情があるか? 被害届を出せば警察が動く
⇒さらに…禁錮3年の刑が加わる可能性も
上村キャスター:
ずっと身近にいて一緒に戦ってきた人の裏切りで、大谷選手は心に深い傷を負っていると思います。検察の会見では、大谷選手に引き続き協力を求めることもあると述べていましたが、早く野球に集中できる環境になることを祈るばかりです。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。