「国境なき医師団」はイスラエル軍の攻撃が続くパレスチナ自治区ガザの状況について報告書を発表し、空爆などの犠牲だけでなく医療体制の崩壊による「多くの避けられたはずの死」が存在すると訴えました。

「ガザの静かなる殺害」と題された報告書では、医療体制の崩壊による犠牲は「避けられたはずの死」だと指摘。

多くの避難民が集まる南部ラファでは機能する産科病院は1つしかなく、受け入れ先が見つからないまま、妊婦がトイレで出産、赤ちゃんが亡くなったケースがあると明らかにしました。

国境なき医師団が運営するラファの診療所では平均して週5000件もの診療が行われ、劣悪な生活環境に起因する症状が4割を超えるほか、ほとんどの患者に不安やストレスに関連する症状があるということです。

ガザ地区唯一の精神科は機能不全だとしています。

医師団はラファは「最後のとりで」だとして、イスラエル軍が地上侵攻に踏み切れば、さらなる悲劇を生むと警告。即時かつ恒久的な停戦と民間人や医療施設の保護症状の重い患者に対するガザの外での治療を再開させるよう求めています。

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