イスラエルに対する抗議活動がアメリカの大学で広がっています。名門コロンビア大学では、警察が抗議する学生らを強制排除する事態となっています。
記者
「午後9時です。大学のゲートが開き、警察官が一斉に大学の中へ入っていきます。学生を拘束するためでしょうか、手錠のようなものも持っています」
ニューヨークにあるコロンビア大学。キャンパス内の建物に、窓から警察官が次々と入っていきます。ガザへの攻撃を続けるイスラエルに抗議し、建物を占拠する学生らの強制排除に踏み切ったのです。
記者
「学生でしょうか、警察官に拘束された人たちが今、大学の中から出てきました」
警察の突入にともなうけが人はいないということですが、およそ100人の学生らが逮捕されました。
コロンビア大学の卒業生
「本当に恥ずかしい。私の大学がこんなことをするなんて。心が痛みます。在籍していた時は誇りに思っていたのに」
コロンビア大学では、学生らが2週間ほど前から屋外でテントを張り、抗議デモを続けていました。しかし、先月18日、警察が学生ら少なくとも108人を逮捕したことをきっかけに、デモは次第に激化。
コロンビア大の学生
「多くの学生は、学生を逮捕するために学長が警察を学内に呼んだことが受け入れられないのだと思う」
30日未明、デモ参加者の一部がキャンパス内の建物のドアを破壊し、侵入。入り口をバリケードで封鎖し、占拠したのです。
これを受け、大学側はキャンパスへの立ち入りを制限し、授業も中止に。そして、警察はこの日のうちに、立てこもるデモ参加者らの強制排除に踏み切りました。
大学側は、「大学と無関係の人物らが主導するグループが建物を占拠したとみている」との声明を発表しました。
こうしたイスラエルへの激しい抗議活動は全米の大学に広がっています。
テキサス大学ではデモ隊と警察が衝突。数十人が逮捕されました。また、南カリフォルニア大学では「安全上の理由」から卒業式が中止されました。
アメリカメディアによると、抗議活動は全米の68の大学で行われていて、これまでに1000人以上の学生が逮捕されています。
ガザ情勢をめぐり、揺れる大学。収束の見通しは立っていません。
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