会談後の共同記者会見に臨む、NATOのストルテンベルグ事務総長(左)とウクライナのゼレンスキー大統領=29日、キーウ(ロイター)

ロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は4月29日、首都キーウ(キエフ)を訪問した北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長と会談した。ゼレンスキー氏は会談後の共同記者会見で「わが国が米国などの軍事支援を待っている間に露軍は前進を図っている」と指摘。前線を安定させるためには軍事支援の早期到着が必要だと訴えた。

ウクライナメディアによると、ゼレンスキー氏は、米国で成立したウクライナ支援予算に基づく供与兵器の一部が届き始めているものの、「なお必要量に達していない」と説明。求める装備として、155ミリ榴弾(りゅうだん)砲や長距離兵器、防空システムを挙げた。また、「ウクライナはNATO加盟に値する」と述べ、NATO加盟の実現に期待感を表明した。

ストルテンベルク氏は「NATOは弾薬供給など約束済みの支援を履行できてこなかった」と認め、そのことが露軍を有利にさせたと指摘。NATO諸国が現在、兵器の増産を進めているとし、迅速に支援を提供できるよう尽力すると約束した。将来的にウクライナは必ずNATOに加盟できるとの展望も示した。

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