霞が関や永田町の日本政府関係者が「毎日よく注意して見ている」と話すSNS(ネット交流サービス)がある。トランプ次期米大統領が次々と重大発表を投稿する自身のSNSだ。
SNS「トゥルース・ソーシャル(Truth Social)」は、トランプ氏が立ち上げた企業「トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(TMTG)」が2022年2月から運営している。トランプ氏がSNSを創設したきっかけは、21年1月の支持者らによる連邦議会襲撃事件後に自身の主要ソーシャルメディアのアカウントが凍結され、ネット上での発信を制限されたことだ。
トランプ氏はこのSNSで、連日閣僚らの主要人事を発表。日本製鉄によるUSスチール買収を阻止する考えも表明した。メキシコとカナダに対して25%の関税を課す宣言もした。
毎日投稿を確認するという経済外交に関わる日本政府関係者は「投稿数が多く、こちらが追い切れなくなりそうな時もあるので、同僚とともにチームとしてチェックし、大きな発表があったときに対応できるようにしている」と話す。就任前から言動が注目されていることに「『試合が始まる前から盛り上がっている』という雰囲気だ」とする。
トランプ氏のSNSの表示画面や機能はX(ツイッター)とよく似ているが、投稿することは「ポスト」ではなく「トゥルース(Truths)」と呼ぶ。他のユーザーの投稿は「リポスト」ならぬ「ReTruths」ができる。アカウントを作成すると、フォローを推奨するアカウントとして、トランプ氏や、保守系のアカウントなどが並ぶ。政治意見を言い合うことなどができるグループ機能もある。
トランプ氏をフォローする人は約836万人いるが、凍結解除済みのXのトランプ氏のアカウントのフォロワー数は約9600万人だ。
TMTGは24年3月に米ナスダック市場に上場。トランプ大統領の勝利を期待した買いにより、10月には株価は急騰していた。ただ、10月30日以降は不安定な値動きとなっている。【町野幸】
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