政権が崩壊した中東シリアに日本のメディアとして初めて、JNNのクルーが入りました。首都のダマスカスでは、市民が政権の崩壊を祝い、歓喜の声をあげる様子がみられました。
記者
「見えてきました、シリアの国旗が見えてきました。まだ、顔の写真のところには、アサド前大統領の写真がのっています。少し破られています」
JNNが11日に入ったのは、中東シリア。アサド政権が8日に崩壊して以降、日本メディアとして初めて取材に訪れました。
記者
「カスタム・ドキュメント、いわゆる税関といった建物が残っていますが、人がいまいない状況です。銃を持った、おそらく反体制派勢力の人だと思います」
シリア側の国境検問所には係官の姿はなく、代わりに反体制派勢力とみられる人たちが。ただ、入国の手続きなどは行われておらず、行政が混乱している状況が伺えました。さらにダマスカス近郊では。
記者
「空港も近くにあり、道路沿いに商店が建ち並んでいる場所です。ただ、いずれも完全に破壊しつくされており、中のものがすべてなくなっている、盗まれている状況です」
アサド政権に関係のあった人物が運営していたとされる商店街では、政権崩壊後に憎悪が向けられ、略奪行為が横行。大きな混乱があったことを伺わせました。首都のダマスカスでは…
記者
「シリア軍の軍用車両ですが、市民が乗って喜びを爆発させているような状況です。小さな子どもたちも、銃をかまえて誇らしげな顔をしています」
町には、政権の崩壊を祝おうと多くの市民がつめかけ、歓喜の声をあげていました。
市民
「以前よりよくなることを願います。悪夢のような14年がまた訪れないことを願います」
反体制派勢力の中心組織「シリア解放機構」の戦闘員だという男性は、北部アレッポから南下したといいます。
「私は途中のハマくらいまでしか来ないと思っていた。ダマスカスまで来るとは思いませんでした」
シリアはこの男性の所属する「シリア解放機構」系の指導者・バシル氏が暫定首相に就任し、政権移譲に向けたプロセスに入ります。
ただ、多様な民族や宗教・宗派が混在し、反体制派側も一枚岩ではいかないなかで、今後、どこまで安定した運営ができるのかが焦点となっています。
「キリスト教や(少数派の)アラウィー派など、すべてのイスラム教徒が安全になり、自由や公正さがもたらされることを望みます」
こうした市民の思いは通じるのか?暫定政権の手腕が注目されます。
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