日本でも見かけるようになってきた電動キックボード。一足先に普及した韓国ではトラブルが相次ぎ、「禁止すべき」との声まで上がり、規制が強化されています。

記者
「ソウル市と警察などが連携した電動キックボードに対する取り締まりが行われています」

きょう午後、ソウル市で行われた取り締まり。すっかり定着した“市民の足”ですが、いま、厳しい視線が注がれています。

画面の右側に現れた電動キックボード。違法な2人乗りをしていますが、無理に道路を横断しようとした次の瞬間、車と衝突。

警察によりますと、2人は軽傷で済みましたがヒヤリとさせられる場面でした。

記者
「ソウルの街のいたる所には、電動キックボードがとめられていて、気軽に乗れることから一気に普及しました」

業者の相次ぐ参入により、韓国ではレンタルできる電動キックボードの数は全国のタクシーの台数を上回っています。その一方で、車との衝突など事故の件数は、この6年間で20倍に増えました。

この事故では、電動キックボードと接触したバイクの運転手が負傷したということです。

事故が増える背景には、危険な運転が横行していることがあるとみられ、未成年者による無免許運転や、着用が定められているヘルメットをかぶらないまま走る人の姿も頻繁にみられます。中には、歩行者の間を縫うように走る人や、2人乗りどころか、4人乗りまで現れました。

また、ところかまわず停車された電動キックボードは通行の妨げにもなっていて、市民の不満が爆発しています。

市民
「通行の邪魔にならないようにとめてほしい」
「(電動キックボードは)歩行者の立場から非常に危険です。法的にも社会的にも制度的な措置が必要だと思う」

ソウル市が行ったアンケート調査では、75%の人が衝突の危険を経験したことがあり、75%が民間業者によるレンタルを禁止すべきだと答えました。

ソウル市の警察官
「電動キックボードはスピードが速い。電動キックボードの利用者は低速で運行して、事故が起きないように気をつけて運転してください」

ソウル市は、来年から通行禁止区域を設定し、規制を強化することにしています。

電動キックボードを対象にした新たな免許制度の導入を求める声も上がっています。手軽に移動できる便利さと、安全性。その両立の模索が続いています。

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