イスラエル軍の空爆後、がれきの上に立つ人たち=ベイルートで2024年11月25日、ロイター

 イスラエルとレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの戦闘を巡り、米ニュースサイト「アクシオス」は25日、米当局者の話として、イスラエルとレバノン政府が、米国が提案した停戦の条件に合意したと報じた。イスラエルの治安閣議が26日、合意を承認する見通しだという。ヒズボラの意向は不明だ。

 アクシオスによると、米当局者は「我々はゴールライン上にいるが、まだ越えていない。イスラエルの治安閣議で承認されるまでは、問題が起こる可能性はある」と述べた。一方、レバノン当局者は停戦実施に向けて「深刻な障害はない」としている。

 またロイター通信も25日、レバノン政府高官の話として、バイデン米大統領とマクロン仏大統領が近く停戦を発表するとの見通しを報じた。

 米国の停戦案では、60日間の暫定停戦を実施し、イスラエルがレバノン南部から撤退、ヒズボラは国境から約30キロ北にあるリタニ川以北に退く。その間、米国が主導する5カ国からなる停戦監視委員会が、合意が守られているかを監視する。違反があった場合、イスラエルはレバノンへの軍事行動を再開できる。

 ヒズボラは昨年10月、パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスに連帯する形で、イスラエルに攻撃を開始。一方、イスラエルは今年9月下旬、ヒズボラの最高指導者だったナスララ師を殺害し、9月末には地上侵攻を開始した。これまでにイスラエル側では100人以上、レバノン側では3700人以上が死亡している。【エルサレム松岡大地】

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