連立政権が崩壊し来年2月に連邦議会(下院)の総選挙が予定されているドイツで、与党・社会民主党(SPD)の幹部会は25日、選挙の「顔」となる首相候補にショルツ首相を指名した。社民党は支持率が低迷し、苦しい選挙戦が予想されている。
ドイツでは主要政党が首相候補を擁立してから総選挙に臨む。
支持率が落ちているショルツ氏を首相候補とすることには党内で反対論もあった。国民の間で人気の高いピストリウス国防相を推す声もあったがピストリウス氏は辞退し、幹部会では満場一致でショルツ氏を指名した。ショルツ氏は25日、「最も強い政党になる」と意気込みを語った。
公共放送ARDによる今月21日の世論調査では、統一会派を組むキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)の支持率が33%と独走状態。社民党と連立与党・緑の党はそれぞれ14%で、19%の支持を集めた排外的な右派「ドイツのための選択肢(AfD)」にも後れを取っている。
CDU・CSUは既にCDUのメルツ党首を、緑の党はハベック経済・気候保護相を首相候補に指名している。AfDはワイデル共同党首を指名する見込み。【ベルリン五十嵐朋子】
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