韓国政府は23日、「佐渡島の金山」（新潟県）で24日に予定されている労働者の追悼式に政府代表を派遣せず参加を見送ると決めた。日本政府は22日、追悼式に生稲晃子外務政務官を参列させると発表。生稲氏が2022年の終戦記念日に靖国神社を参拝したことから、韓国国内では「韓国の遺族らを侮辱しており、不適切な人選だ」などとして政府代表を派遣しないよう求める声が出ていた。
佐渡金山は今年7月、世界遺産に登録された。韓国外務省は23日、不参加の理由について「追悼式をめぐる両国の外交当局間の意見調整に必要な時間が十分ではなく、追悼式前に両国が受け入れ可能な合意に至ることは難しいと判断した」と説明するにとどめた。生稲氏の参列を巡り調整が難航したとみられる。韓国メディアによると、韓国側からは朴喆熙（パクチョルヒ）駐日大使が参列を予定していた。
佐渡金山を巡っては、日本の植民地時代に朝鮮半島出身者の強制労働があったとして韓国が世界遺産登録に反発。日本が、朝鮮半島出身者を含むすべての労働者のための追悼行事を毎年開くことなどを表明し、韓国側の同意を得た。韓国は、追悼式への日本政府高官の参列を求めていた。【ソウル福岡静哉】
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