マット・ゲーツ元連邦下院議員=米中西部ウィスコンシン州で2024年7月17日、秋山信一撮影

 トランプ次期大統領(共和党)が司法長官候補に選んだマット・ゲーツ元連邦下院議員は21日、Xへの投稿で、司法長官人事を辞退すると表明した。過去に性的な人身売買などに関与した疑惑があり、人事承認権を持つ上院では、民主党だけでなく、共和党からも人選を疑問視する声が出ていた。トランプ氏の政権運営は、発足前から閣僚人事でつまずいた。

 ゲーツ氏は「私の人事承認が、トランプ政権への移行という重要な仕事から、不当に注意をそらす問題になっているのは明らかだ。もめ事を不必要に長引かせ、時間を無駄にしてはならない。トランプ政権の司法省は、政権発足の初日に準備ができていなければならない」と述べた。

 トランプ氏は自身のソーシャルメディアへの投稿で「ゲーツ氏が人事承認を得ようと努力してくれたことに感謝する」と述べた。

 トランプ氏は13日にゲーツ氏の起用を発表。2020年大統領選の結果を覆そうとした事件などで、自身を捜査した連邦捜査当局への不信感を示しており、保守強硬派のゲーツ氏に司法省の組織変革に当たらせる考えだった。【ワシントン秋山信一】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。