北朝鮮の国旗=ラオスの首都ビエンチャンで2024年7月26日午後4時30分、福岡静哉撮影

 韓国警察庁は21日、2019年に韓国の仮想通貨(暗号資産)取引所から当時のレートで約580億ウォン(約64億円)相当の仮想通貨が窃取された事件について、北朝鮮のサイバー攻撃だったと発表した。北朝鮮による仮想通貨の窃取は国連の報告書などで指摘されてきたが、韓国捜査機関が取引所への犯行を認定したのは初めて。

 聯合ニュースの報道では、事件には北朝鮮の対外工作機関・朝鮮人民軍偵察総局の傘下のハッカー集団が関与していたという。窃取資金は、核など大量破壊兵器の開発に充てられているとの専門家の指摘もある。

 警察の発表によると、窃取された仮想通貨「イーサリアム」の約6割は別の仮想通貨「ビットコイン」に交換され、残りは海外の取引所51カ所でマネーロンダリング(資金洗浄)された。ただ、一部はスイスの取引所にあることが確認され、約6億ウォン相当のビットコインが窃取被害を受けた取引所に返還された。

 国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会専門家パネルは今年3月、北朝鮮が仮想通貨関連企業へのサイバー攻撃を繰り返し、17年以降に30億ドル(約4600億円)を窃取した疑いがあるとの報告書を発表した。【ソウル日下部元美】

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