レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとイスラエル軍の戦闘を巡り、ヒズボラの最高指導者、カセム師は20日のテレビ演説で、米国が提示した停戦案に対する回答を提出したと明らかにした。回答の詳細は不明だが、停戦が実現するかどうかはイスラエル次第だとの認識を示した。
レバノンでヒズボラとの交渉窓口を担う国民会議のベリ議長と会談したホックスティーン米特使は20日、停戦に向けた協議で進展があったと述べた。21日にはイスラエルのネタニヤフ首相と停戦案について協議する予定だ。
ロイター通信によると、カセム師の演説に先立ち、ヒズボラ幹部は20日、停戦協定は戦闘を速やかに終結させ、レバノンの主権を維持するものでなければならないと述べた。
これに対して、イスラエルはヒズボラと停戦合意がされた後も、ヒズボラが協定に違反すれば、ヒズボラを攻撃すると主張している。サール外相は20日「(ヒズボラに)違反があった場合、我々が自由に行動できるようにする必要がある」と述べた。
米国が提示した停戦案は、まず60日間の休戦期間を設け、その間にレバノン南部から双方が撤退して恒久的な停戦につなげる内容とされている。
ヒズボラは、パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスに連帯を示し、昨年10月、イスラエルに攻撃を開始。今年9月末にはイスラエル軍がレバノンへの地上侵攻を始めた。レバノン側ではこれまでに3500人以上が死亡している。【エルサレム松岡大地】
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