韓国の尹錫悦大統領=2023年4月26日、秋山信一撮影

 韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領がゴルフの練習をしていることを巡り、与野党が奇妙な水掛け論を繰り広げている。大統領室は、ゴルフ好きのトランプ次期米大統領に対応するためと説明。だが韓国メディアは、トランプ氏が今月5日の大統領選で勝利する前の8月から尹氏はゴルフをしていたと報じており、野党は「外交目的は口実」などと批判している。

 最大野党「共に民主党」の院内報道官は20日の記者会見で、米大統領選前に韓国内で大規模火災や北朝鮮の挑発があった時期にゴルフをしていたとし、「大統領として不適切な振る舞い」と問題視。「トランプ氏の勝利を週末ゴルフの口実に使うことが、より外交的に失礼だということを大統領府は知らないのか」と非難した。

 一方、大統領府政務首席は19日に「テニスであれ、ゴルフであれ、大統領のスポーツ活動は普通以上の意味を持っている」と反論。「トランプ氏にラウンドしようと言われた時、ゴルフができなければ応じることができない。ゴルフは経験上、1、2回練習したからといってうまくいかない」とも説明した。

 与党議員らは「大統領の健康がどれほど重要か。ゴルフをしたり、山登りをしたりするなど、運動が必要なのではないか」と主張。「韓国国民1000万人がゴルフをしており、恥じるべき行為ではない」と擁護した。大統領警護庁次長は「大統領のゴルフがなぜ問題になるのか疑問だ」と述べた。【ソウル日下部元美】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。