米国務省のミラー報道官は19日の記者会見で、ロシアのプーチン大統領が核兵器の使用基準を定めた「核ドクトリン」を改定する大統領令に署名したことについて「驚きはない。ロシアは無責任な核のレトリックと行動により、ウクライナと世界中の国々を威嚇しようとしてきた」と非難した。その上で、米国の核態勢について見直す考えはないと強調した。
国防総省のシン副報道官も19日、ロシアによる核ドクトリンの改定に関し「無責任」だと批判し、「ロシアがウクライナで核兵器の使用を準備している兆候はない」と説明した。
一方、ミラー、シン両氏とも、バイデン大統領がウクライナに対し、米供給の長射程ミサイルを使ってロシア領内を攻撃することを許可したとの報道については「発表できることはない」などと確認を避けた。
プーチン氏が19日に署名した改定後の核ドクトリンでは、非核保有国が核保有国の支援を受けて、ロシアやその同盟国を攻撃した場合、ロシアは核兵器での反撃を検討するという内容が新たに盛り込まれた。米国がウクライナに供与した長射程ミサイルによるロシア領内への攻撃を認めたことへの対抗措置とみられている。【ワシントン松井聡】
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