世界20の国と地域の首脳が集まるG20サミットの初日に首脳宣言が公表されました。トランプ次期政権を一部牽制(けんせい)する内容も盛り込まれました。ブラジルから報告です。

 (親松聖記者報告)
 今回のG20。2日目の議論を待たずして初日に首脳宣言が発出される異例の展開となっています。

 「リオデジャネイロ首脳宣言」では国際貿易に関して、「経済成長や、貧困と飢餓との闘いの原動力」として、透明性のある多角的な貿易体制の必要性を強調しています。

 多国間主義に否定的なトランプ氏を牽制した形です。

 ただ、懸念が高まる「保護主義」との文言はなく、明確な反対姿勢は示しませんでした。

 また、トランプ氏がパリ協定からの離脱を示唆するなか、首脳宣言では「パリ協定の実施を強化することにより気候変動に取り組む確固たる決意を再確認する」としています。

 一方、ウクライナでの戦闘については「人的被害や食糧・エネルギー安全保障などへの悪影響を強調する」としたうえで、ロシアへの明確な批判はありませんでした。

 日本政府関係者によりますと、取りまとめの際に、トランプ氏と先日会談したアルゼンチンのミレイ大統領が承諾できないと席を外すようなケースもあったということです。

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