中国外務省はスパイ容疑で韓国人を逮捕したことを明らかにしました。

中国外務省の林剣報道官は、29日の会見で中国当局がスパイ容疑で韓国人を逮捕したと明らかにしました。具体的な容疑などはわかっていません。

林報道官は「中国は法治国家であり、法に基づき違法行為や犯罪行為を捜査、処罰する」としています。

中国では去年7月からスパイ行為の範囲を拡大した改正反スパイ法が施行されるなど、習近平指導部が重要視する「国家安全」を守るための体制強化が進められています。

反スパイ法をめぐっては去年、アステラス製薬の日本人男性社員が拘束されるなど、2014年に反スパイ法が施行されて以降、日本人17人が拘束されており、日本企業が投資やビジネス拡大を躊躇する一因にもなっています。

一方、韓国メディアは、安徽省・合肥市に住んでいた50代の韓国人男性が去年12月、地元の国家安全当局によって連行されたと報じ、「韓国国民が改正反スパイ法違反の疑いで拘束されたのは初めてだ」としています。

男性は20年近く韓国の電機大手・サムスン電子で勤務した後、中国の半導体関連企業に勤めていて、半導体関連の情報を韓国側に流出させた疑いが持たれているということです。

韓国外務省の報道官
「事件を認知した直後から、領事による必要なサポートを提供しています」

韓国外務省の報道官はきょう、事件についてこう述べた一方、「具体的な内容は明らかにできない」とコメントしました。

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