米大統領選で期日前投票を行うバイデン大統領=東部デラウェア州で2024年10月28日、AP

 米民主党のバイデン大統領は28日、地元の東部デラウェア州で米大統領選(11月5日投開票)の期日前投票に臨み、民主党候補のハリス副大統領に1票を投じた。バイデン氏は再選を目指していたが、高齢による衰えへの懸念が高まり出馬を断念した経緯がある。記者から投票について「ほろ苦いか」と問われると、「甘い」と返答。ハリス氏の勝利を信じていると強調した。

 バイデン氏は投票のために約40分間、列に並び、市民との写真撮影にも応じた。ただ、ハリス氏の選挙戦では、人気が高いオバマ元大統領が連日演説する一方で、バイデン氏は距離を置いている。ハリス氏側には、イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ地区で続ける戦闘や米国内のインフレ(物価高騰)などを巡る現政権への批判を回避し、「刷新感」を演出する思惑があるとみられる。

 米紙ニューヨーク・タイムズは28日、ハリス氏の陣営がバイデン氏との共同イベントは「マイナスになるだけだ」と考えていると報じた。バイデン氏は選挙戦を手伝いたいと考えており、自身の支持基盤でもある労働組合などのイベントを独自に回るという。【ワシントン松井聡】

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