フィリピン大統領在任中の麻薬撲滅作戦について、議会上院での公聴会に出席したドゥテルテ氏=マニラで2024年10月28日、AP

 フィリピンのドゥテルテ前大統領は28日、議会上院の公聴会に出席し、在任中(2016~22年)に展開した麻薬撲滅作戦について「国のためにやるべきことをした」などと正当性を主張した。この作戦では、少なくとも6600人が殺害され、人権団体から大きな批判を浴びた。国際刑事裁判所(ICC)は、超法規的殺人による人道に対する罪の疑いがあるとして捜査を進めている。

 テレビ中継された公聴会で、ドゥテルテ氏は声明を読み上げた。「違法薬物との闘いは、人を殺すことではなく、無実の人たちを守るためだった」と弁明。「薬物を憎んでいる」とし、「謝罪も言い訳もしない」と述べた。

 ICCの捜査では、麻薬犯罪の容疑者に対する殺害命令が争点となっている。ドゥテルテ氏はこれについて、自身がダバオ市長や大統領だった当時、正当防衛となるように、容疑者側に攻撃を促すよう警察官らに指導したと説明。「『闘ってきたら殺せ』と言った」と訴え、無差別的な殺害命令は否定した。一方で、「法的責任はすべて私が取る。刑務所に行くとすれば、私の指示に従った警察官ではなく、私だ」と述べた。【バンコク石山絵歩】

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