会談を前に握手する韓国の尹錫悦大統領(左)と岸田文雄首相=広島市の広島国際会議場で2023年5月21日午前7時55分(代表撮影)

 米国のキャンベル国務副長官は24日、ワシントンのシンクタンク「ハドソン研究所」で講演し、日韓関係改善を図った岸田文雄首相と韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が「ノーベル平和賞の共同受賞に値する」と持ち上げた。

 キャンベル氏は、元徴用工訴訟問題を念頭に「日韓両国には現行の条件での関係改善を望まない圧力団体や政治団体がいたが、難しい歴史問題を克服しようとする日韓の指導者の決意は目を見張るものだった」と指摘。「地球規模で大きな違いを生み出した業績によってノーベル平和賞受賞にふさわしいのが誰かと問われれば、岸田氏と尹氏だ」と述べた。

 岸田氏については防衛費増額などの安全保障政策を進めたことを評価し、「安倍(晋三)氏もやろうとしてできなかったことを、岸田氏がやって人々を驚かせた。非常に大きな政治的な勇気が必要なことだが、自身の人気が非常に低下する中でも実行した」と述べた。

 キャンベル氏は前任の米国家安全保障会議(NSC)インド太平洋調整官として、対中国で日米韓の連携を強化するため、日韓関係の改善を下支えした。【ワシントン秋山信一】

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