日本国内で“いらないもの”として回収された中古品が東南アジアのタイで大人気となっています。そのワケを探りました。

いっせいに店内へとなだれ込む買い物客。目当ての品を奪い合うさまは、さながら“戦場”です。

ここはタイの首都・バンコクにほど近いショッピングモール。争うようにタイの人たちが買い求めているのは、すべて日本から仕入れた“中古品”です。

東京ドームほどの敷地には、食器やキッチン用品、古着におもちゃまで…日本では“不用品”となったものがズラリと並びます。なかには…

ギークスリテイリング 矢内祥一郎 社長
「(Q.ガラケーも置いてるんですか?)ガラケー、はい。(Q.売れる余地はあるんですか?)売れますね、オブジェなんじゃないですか」

“コレ売れるの?”と思うような品物もありますが、店は連日、ご覧の盛況ぶり。客の中には転売目的の業者もいるそうですが、日本では廃棄される運命だった中古品がなぜ、これほど人気なのでしょうか?

「街で売られている新商品より、品質がいいくらいなの」

ギークスリテイリング 矢内祥一郎 社長
「日本で売るというのは、それなりの基準をクリアして売られているものなわけなので、街場で売っている新品で安いものと比べると、やはり日本の古いものの方が状態がいい」

不用品ゆえの価格の安さに加え、“日本人が使っていたものだから品質が保証されている”という信頼感が人気を呼んでいるといいます。

日本の中古品の拡がりは、こんなところにも。バンコクにあるこちらの日本風居酒屋には、店のオーナーが買いそろえた日本のグッズで溢れかえります。

記者
「このように賞状が飾られていますけど、お店とは全く関係のない、ただの飾りものだそうで、こちらも日本からの中古品なんだそうです」


「こういうもの(賞状)があると雰囲気がグッと増すよね。本当に日本にいるような感じになるわ」

日本食レストランの数が去年、過去最多となったタイ。競争が激しくなるなか、親日の客をより多く呼び込むためにリアルな日本の雰囲気を作り出す中古品が求められているのです。

あなたの家でも眠っているかもしれない“いらないもの”。ところ変わったタイでは、思わぬ価値が生まれるかもしれません。

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