3月27日、ウクライナの首都キーウで行われた軍の訓練(ロイター)

ウクライナ政府は24日までに、国外に滞在する18~60歳の男性国民に対し、旅券(パスポート)の発給など領事サービスの提供を停止すると定める法令を発布した。同国メディアが伝えた。ロシアの侵略で軍の人員不足が深刻化する中、今後の追加動員を見越し、動員対象年齢の男性の帰国を促す思惑だとみられる。

法令によると、国外滞在中の18~60歳の男性国民は今後、原則的にウクライナ国内でしか旅券の発給などを受けられなくなる。国外滞在中であっても、本人が障害を持つ場合や、障害を持つ家族を養っている場合などは例外となる。

ロイター通信によると、動員対象年齢で国外に滞在するウクライナ人男性は数十万人に上る。

今回の措置について、ウクライナのクレバ外相は23日、「国家は戦争状態にある。国外滞在中であることは国民の祖国への義務を免れさせるものではない」と指摘。多数の男性が従軍している中、国外に滞在して兵役などを免れている男性が領事サービスを受けられるのは不適切だとし、今回の措置はこうした不公平の是正が目的だと説明した。

ウクライナは今月、動員に関する法改正を実施。動員対象年齢を27歳から25歳に引き下げた。動員対象者を拡大し、動員忌避者への罰則も強化した。改正法は5月18日に施行され、その後、ウクライナは大規模な追加動員に乗り出すとの観測が強い。

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