ロシアによる侵攻が続くウクライナ軍の前総司令官が自らの考える「勝利の姿」について語り、NATO=北大西洋条約機構への加盟の重要性を繰り返し訴えました。

ウクライナ軍の前総司令官で、今年7月からイギリスの駐在大使を務めるザルジニー氏が17日、ロンドンで会見を開き、ロシアとの戦争における「勝利の姿」について、自身の見解を述べました。

ザルジニー氏は「勝利の姿」として、ウクライナ国民が▼100年先までどの国からも攻撃されないという「安心感」や、▼「故郷にいると感じられること」▼長期的な展望を掲げるために不可欠な「安全」が確保されることの3点を挙げ、西側諸国の支援の継続やNATO加盟の重要性を繰り返し訴えました。

一方、司会者から「勝利の姿」にロシアからの領土の奪還が含まれるか問われると、「もし、隣人が自分の庭の一部を使っていることに気づいたら、自分の息子に問題を解決するよう伝える。それでも解決しなければその次の世代に託す」と述べ、時間をかけてでも達成すべきことだとの認識を示しました。

ウクライナでは、今年7月時点の世論調査で「できるだけ早く和平を実現し、独立を守るためには領土の一部を譲歩してもよい」と答えた人が32%に上っています。

ザルジニー氏はゼレンスキー大統領との確執がたびたび指摘されていて、今年2月、軍の総司令官を解任されています。

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