北朝鮮が15日正午ごろ、韓国との間を結ぶ鉄道路線と周辺道路の一部を爆破した。韓国軍合同参謀本部が同日明らかにした。爆破したのは軍事境界線の北側で、韓国側に被害はなかった。韓国軍は韓国側の地域でけん制するための「対応射撃」を行った。
爆破された鉄道路線は半島の西側の「京義線」と、東側の「東海線」。1991年に採択された「南北基本合意書」で鉄道の連結構想が盛り込まれ、代表的な南北協力事業とされてきた。
韓国統一省は15日、「南北合意の明白な違反だ。異常な措置で強く糾弾する」との声明を発表した。鉄道事業は北朝鮮の要請により約1億3290万ドル(約198億5000万円)の借款方式で行われたとし、「返還義務は北朝鮮にある」と訴えた。
北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記は長年にわたる南北平和統一の方針を放棄し、「敵対的な二国関係」を主張している。北朝鮮軍は9日に軍事境界線付近で「一触即発の戦争危機が日増しに高まっている」との声明を発表。北朝鮮と韓国の領土を「徹底的に分離するため」に、韓国とつながる道路と鉄道を「遮断し、要塞化する」と予告していた。【ソウル日下部元美】
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