11月5日の米大統領選を前に共和党のトランプ前大統領が安全確保に神経をとがらせている。米当局はイランがトランプ氏の暗殺を狙っているとみており、米メディアによると、トランプ陣営は軍用機による護衛を政府に要請。安全を優先して、趣味のゴルフも大統領選まで自粛する意向だという。
NBCニュースなどによると、トランプ氏はイランの動きについて米情報当局から随時説明を受けている。空路では「トランプ・フォース・ワン」と名付けたプライベート機で移動しているが、陣営は無人航空機(ドローン)や地対空ミサイルによる攻撃を警戒し、軍用機での護衛を要請した。トランプ氏自身が軍用機で移動する可能性もある。
バイデン大統領は11日、「現職大統領並みに必要な対応をとるよう指示した」と記者団に述べたが、前例のない軍用機による護衛が実現するかは不明だ。
一方、トランプ氏は大統領選まで趣味のゴルフも自粛する考えだ。9月に自宅近くのゴルフ場でプレー中、トランプ氏の暗殺を計画した容疑者が拘束される事件が発生。事件後はプレーを控えてきたが、当局から「プレーする場合、十分に安全を確保できない」と警告されたという。
トランプ氏はゴルフが趣味で、大統領在任中の4年間も休日など計260日以上をゴルフ場で過ごした。2021年に退任した後も、運動を兼ねて週1回ほどはプレーしていたという。
トランプ氏は今年7月、選挙集会での演説中に銃撃され、耳を負傷した。ゴルフ場での事件も含めて容疑者は共に米国人だった。一方、イランは、20年の米軍によるイラン革命防衛隊幹部の暗殺事件への報復として、当時大統領だったトランプ氏の暗殺を狙っているとされる。【ワシントン秋山信一】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。