ノーベル平和賞を選ぶノルウェーのノーベル賞委員会は、ノルウェー国会が指名する5人の委員で構成される。任期は6年。選定が極端な政治色を帯びないよう、委員には「世界の紛争を客観視できる能力と意志」(ノーベル賞公式ホームページ)が必要という。委員長は、2023年まで務めたレイスアンデルセン氏に代わり、24年からはヨルゲン・バトネ・フリードネス氏(39)が就任した。
欧州メディアなどによると、フリードネス氏はノルウェーの中道左派・労働党の推薦で指名され、21年から委員を務める。表現の自由を擁護し、投獄された作家らを支援する独立組織「PENノルウェー」の幹部でもある。
英ヨーク大学で国際政治学の修士号を取得。11年にノルウェー南部ウトヤ島で労働党青少年集会の参加者70人近くが殺害された銃乱射事件では、現場で復興活動にあたった。「平和賞が希望を生み出す」と述べ、紛争解決への道筋を作ることに賞が重要な役割を果たすとの持論がある。
委員同士で議論し続け、空腹になった時は「委員の中で年少の自分が皆の昼食の注文を取るのが近年の慣例だった」という。【ロンドン篠田航一】
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