スウェーデン・アカデミーは10日、2024年のノーベル文学賞を、韓国の女性作家、韓江(ハンガン)氏(53)に授与すると発表した。授賞理由は「歴史のトラウマと向き合い、人の命のはかなさをあらわにする強度の高い詩的散文に対して」。韓江さんの著書「そっと静かに」の翻訳者で、著者とも面識のある古川綾子さんは受賞について「韓国の物語を書きながらも世界に広がっていくという予感はあり、いつか受賞するのではと思っていた。ただ、考えていたよりも早かった」と驚きを語った。翻訳者として「日本の読者に最も読んでもらいたいと思う著者の一人」だったという。
韓江さんの文学については「韓国の、それも悲惨な歴史を土台としながら、つづられている痛みや悲しみは、今もなお戦争が続く世界において普遍的な価値を持つ。すでに作品は国境を超えて愛されており、その結果だと思う」と指摘。一方で、韓江さん自身の印象は「とても遠慮がちで謙虚だが芯が強い」人だと振り返った。【米村耕一】
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