石破総理は、ラオスでASEAN=東南アジア諸国連合の関連首脳会議に出席し、本格的に外交をスタートさせました。安全保障を重視する“石破カラー”を打ち出す機会にもなりますが、持論の「アジア版NATO」構想は各国で波紋を呼んでいます。

記者
「石破総理が今、会場に入りました。まずはこれからASEAN首脳らとの会議に臨みます」

石破総理がASEANの首脳らと笑顔で握手を交わすなど、和やかな雰囲気で始まった首脳会議。

石破総理
「共に未来を守っていくために、ASEAN諸国との協力を更に強化する」

中国が海洋進出の動きを強めるなか、石破総理は経済や安全保障などの分野でASEANとの連携を深めたい姿勢を強調しました。

会場に集まったメディアに石破総理の印象を聞いてみると…

香港メディアの記者
「(石破総理が)どんな新しい政策などを打ち出すのか関心を持っています。彼は強気な一面もある印象です」

AFP通信の記者
「彼(石破総理)のことをよく知りませんが、真面目そうに見えますね」

一方、波紋を広げているのが、石破総理がかねて創設に意欲を示してきた、多国間による安全保障体制「アジア版NATO」です。

AFP通信の記者
「(アジア版NATOは)国際政治を大きく揺るがすだろう。世界にさらなる紛争をもたらすものであり、賢明だとは思わない。NATOとロシアの関係を見れば分かるでしょう」

ASEANの外交筋からは、「地政学的なリスクが大きく、非常にデリケートな問題だ」と慎重な声も。

また、日米など4か国で作る枠組み「クアッド」の一角であるインドの外相は、こう釘を刺しました。

インド ジャイシャンカル外相
「我々は、いかなる国とも(安全保障)条約を結んだことはない。そのような戦略的な構造は念頭にない」

この「アジア版NATO」、最も警戒しているのは中国です。中国から見れば「中国包囲網」にしか見えず、最も避けたい展開です。

今回の首脳会議では、「アジア版NATO」を議題にしない考えを示した石破総理。初の首脳外交で存在感をどのように示すのでしょうか。

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