イスラエルのネタニヤフ首相=ロイター

 イスラエルのネタニヤフ首相は8日、レバノンを拠点とするイスラム教シーア派組織ヒズボラの次期指導者と目されていたサフィエディン師を殺害したと明らかにした。イスラエル軍は3日夜から4日未明にかけてレバノンの首都ベイルートを空爆しており、サフィエディン師を標的にしたと報じられていた。

 ネタニヤフ氏はレバノン国民に向けたビデオ声明で、「ヒズボラはレバノンを武器の貯蔵庫と(ヒズボラを支援している)イランの前線基地に変えた」と批判。そのうえで「ヒズボラは弱体化している。ガザ地区のような破壊と苦しみにつながる長い戦争に陥る前に、レバノンを救う機会が来ている」と呼びかけた。

 一方、ロイター通信などによると、ヒズボラの副指導者カセム師は8日、テレビ演説を行い、後継者について「間もなく選出する」と語った。サフィエディン師の安否については触れなかった。また、「我々の戦闘能力は問題ない。イスラエル軍の苦痛は増している」と主張。停戦に向けた政治的な動きを「支持する」とも述べ、停戦交渉があれば応じる姿勢を示唆した。【カイロ金子淳】

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