パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスによる越境襲撃から1年を迎えた7日、イスラエルは1200人超の襲撃犠牲者を追悼する式典を米ニューヨークの国連本部で開いた。イスラエルのダノン国連大使は「国連は罪のない人々を守り、悪を非難するという最も基本的な任務を怠った」と記者団に述べ、改めて国連批判を展開した。
国連のデュジャリック報道官によると、追悼式に国連職員は招待されなかったという。一方、国連のグテレス事務総長は、先に公開したビデオ演説で「ハマスの忌まわしい行為を非難する大きな声を国際社会が繰り返し届ける日だ」と訴えた。
国連の安全保障理事会や総会(193カ国)でこの1年間に採択されたガザの停戦などを求める関連決議には、ハマスを名指しで非難する文言は盛り込まれていない。そのため、ダノン氏は国連が「沈黙」したと主張し、「怪物から国民を守るために戦う私たちを中傷することを選んだ」と訴えた。
米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は追悼式で「安保理やその外側には、ハマスの残虐行為を非難しない者がいる」と述べ、イスラエルに同調。ハマスを支援するイランに非難の矛先を向け、「自らの破壊的な計画を進めるために、現在の状況を利用している」とも述べた。
ハマスの奇襲を受けて始まったイスラエル軍によるガザでの戦闘では、ガザ側の死者は4万人を超えた。その大部分は子供と女性とされる。【ニューヨーク八田浩輔】
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