イスラエルとヒズボラの戦闘が続く中、立ち上る煙=レバノン南部で2024年10月4日、ロイター

 レバノン政府は4日、昨年10月のイスラエルとイスラム教シーア派組織ヒズボラの戦闘開始以降のレバノン側の死者が2000人を超えたと発表した。イスラエル軍はレバノン各地への空爆を続けており、死傷者は増え続けている。

 中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」によると、レバノン南部マルジャユーンの病院付近で4日、イスラエル軍の攻撃があり、救急隊員4人が死亡した。イスラエル軍は地上侵攻を始めた1日以降、250人のヒズボラ戦闘員を殺害したと発表。ヒズボラも複数の場所でイスラエル軍を攻撃したとしており、激しい地上戦が続いている模様だ。

 イスラエル軍は、戦闘の目標とする北部の住民の帰還には、数週間はかかると想定しているという。

 ロイター通信などによると、レバノンではすでに120万人以上が避難を余儀なくされ、隣国シリアに逃れた人も30万人を越えた。だが、シリア国境の検問所近くの道路が空爆により破壊され、通行に影響が出ているという。シリアはイランがヒズボラに武器を供給するルートになっているとされ、イスラエル軍が標的にしたとみられる。

 こうした中、イランのアラグチ外相は4日、レバノンの首都ベイルートを訪れ、ミカティ暫定首相と会談した。イランメディアによると、アラグチ氏はレバノンを支持する姿勢を改めて強調し、国際社会が団結してイスラエルの侵攻を止める必要があると訴えた。

 ベイルートの国際空港では、アラグチ氏の到着の数時間前、敷地のそばが空爆された。戦火の中でレバノンを訪問することで、レバノンやヒズボラを支持する姿勢をアピールする狙いがあったとみられる。

 一方、イエメンの親イラン組織フーシ派系のメディアは4日、首都サヌアや西部ホデイダの空港などが、空爆を受けたと報じた。詳細は不明だが、AP通信は米軍が、イエメンの軍事基地など十数カ所を空爆したと報じた。【エルサレム松岡大地、カイロ金子淳】

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