朝鮮人民軍特殊作戦部隊の訓練基地を視察する金正恩朝鮮労働党総書記(中央)=2024年10月2日、朝鮮中央通信・朝鮮通信
写真一覧

 金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記は2日、韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が1日に行った演説を、「核を保有している国家の前で軍事力での圧倒的な対応を口にしたが、まともな人ではないとの疑念を抱かざるを得なかった」と批判した。北朝鮮国営の朝鮮中央通信が4日に伝えた。

 韓国は1日を「国軍の日」としており、同日の記念式典で尹氏は「(北朝鮮が)もしも核使用を企てるなら、韓米同盟の圧倒的な対応に直面するだろう」とけん制していた。

 朝鮮中央通信によると金氏は、2日に軍の特殊作戦部隊の訓練基地を視察し、尹氏の演説について「安全保障への不安と焦燥感を表したもの」と指摘。「敵のいかなる威嚇的な試みも我が軍の強勢を止めることはできず、我々の核を永遠に奪うこともできないだろう」と強調した。

 更に、韓国が北朝鮮の主権を侵害する武力行使を企てる場合、「容赦なく核兵器を含む全ての攻撃力を使う」と警告した。

 韓国政府は国軍の日に大規模軍事パレードを実施し、国産弾道ミサイル「玄武5」を初めて公開するなど、北朝鮮に軍事力を誇示した。北朝鮮の金与正(キムヨジョン)朝鮮労働党副部長は3日、「野良犬の群れが小川を渡るようなむなしい茶番劇」と強く反発していた。【ソウル日下部元美】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。