英政府は3日、インド洋の戦略的要衝の英領チャゴス諸島について、領有権を主張するモーリシャスに返還すると発表した。国際司法裁判所(ICJ、本部オランダ・ハーグ)も2019年に「統治終了」を英国に勧告しており、「国際法の尊重」を掲げるスターマー首相(労働党)が返還要請を受け入れた。
同諸島最大のディエゴガルシア島にある米英両軍の基地の使用は継続される。この基地はアフガニスタンやイラクでの戦争の際、米英の長距離爆撃機出撃の拠点となった。
モーリシャスは近年、中国との関係を深めており、ロイター通信によると、英野党・保守党は「中国がインド洋に軍事的足がかりを得てしまう」(トゥゲンハート下院議員)と懸念を示した。
チャゴス諸島は1965年に英領に編入された。モーリシャスが68年に英国から独立した後も、同諸島は英国の統治が続いた。58の島で構成され、総面積は東京都世田谷区とほぼ同じ約60平方キロ。【ロンドン篠田航一】
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