イランから発射されたミサイルが迎撃される様子=イスラエル中部ラマトガンで2024年10月1日、エルサレム支局スタッフのガイ・グリーン撮影の動画から

 イランによるイスラエルへの弾道ミサイル攻撃があった1日、イスラエル軍の防空システムがイランのミサイルを迎撃する様子がイスラエル北部でも確認できた。

 記者はこの日、イスラエル軍がイスラム教シーア派組織ヒズボラの拠点であるレバノンに地上侵攻したのを受け、軍への取材でレバノン国境に近い北部を訪れていた。インタビューが一通り終わると、複数のメディアが、イランがイスラエルに攻撃する準備をしていると報じ始めた。軍からは「早く帰った方が良い」と促された。

 不安を感じながら、タクシーでエルサレムに帰る途中の午後7時半過ぎだった。つけていたラジオから、イランがイスラエルへの攻撃を始めたというニュースが流れ始めた。間もなく、夜空に20以上の赤い閃光(せんこう)が次々と走っているのが確認できた。

 イスラエル軍の防空システムが、イランのミサイルを迎撃している様子だとみられる。路肩に車を止めてもらい撮影していると、多くの人が車を止めたり、近くのトンネルの中に避難したりして、攻撃がやむのを不安そうな表情で待っていた。

 イランの攻撃は、記者の同僚であるエルサレム支局の現地スタッフが居住地の中部ラマトガンでも確認した。スタッフが撮影した動画では、けたたましいサイレンとともに複数の飛翔(ひしょう)体が上空に飛び交い、しばらくすると、大きな衝撃音とともに爆発音が鳴り響く様子が確認できた。イランの弾道ミサイルが迎撃された音とみられる。また、地上付近で赤い光とともに爆発が起こる様子も見られた。

 イランは4月にも、在シリアのイラン大使館空爆などへの報復として、イスラエルを標的にミサイルや無人機(ドローン)を計300発以上発射した。今回は、イランが支援するヒズボラの最高指導者ナスララ氏らが殺害されたことへの報復としてイスラエルにミサイルを発射した。【エルサレム松岡大地】

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