27日の自民党総裁選で石破茂元幹事長が新総裁に選出されると、韓国の主要メディアは石破氏が5回目の挑戦で当選したことに触れ、七転び八起きとかけて「四転び五起きの主人公になった」などと一斉に速報した。韓国メディアの多くは、石破氏を「非主流のハト派」と伝えている。
韓国大統領室は「日本の新内閣と緊密にコミュニケーションをとり、韓日関係の肯定的な流れを維持すべく協力していく」とのコメントを発表した。
朝鮮日報は「言うべきことは言う政治家という印象が強く、国民の支持率が高い」と論評。「安保通」で、安倍晋三政権時代には「党内でほぼ唯一、内閣に批判的な声を上げた安倍氏の最大の政敵」と紹介した。
また、歴史認識の面で「ハト派と評価される」と指摘した。2019年に韓国政府が日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を通知した際、石破氏が「日本が戦争責任に正面から向き合ってこなかったことが多くの問題の根底にある」と発言した事例に触れた。
中央日報は「最後の挑戦が功を奏した」と報じる一方、政治資金スキャンダルなどで「揺れる自民党を立て直す課題を抱えている」と指摘した。
石破氏の人柄については「勉強する議員」などと評価。読書が趣味で「鉄道オタク」である点などを紹介し、妻の佳子氏とのエピソードも詳細に伝えた。
また、石破氏が著書で「日韓関係は尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の明確なリーダーシップで劇的に改善した。尹政権が韓国内で少しでも有利な立場になるよう、努力しなければならない」と記したことに言及。「このような認識は注目すべき点だ」と評価した。
米国との「核共有」の議論の必要性や、アジア版の北大西洋条約機構(NATO)の創設などを訴えていることも紹介した。【ソウル日下部元美】
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