パレスチナ自治政府のアッバス議長は26日、国連総会(193カ国)の一般討論演説に臨んだ。ガザ地区で続く戦闘をめぐるイスラエル軍の無差別攻撃を非難し、「この狂気を続けることはできない。ガザとヨルダン川西岸地区で人々に起きていることは、全世界に責任がある」と停戦への支持を訴えた。
アッバス氏は「パレスチナは我々の地であり続ける。この地を離れる者がいるとすれば、それは占領する強奪者たちだ」と主張。「ガザを人の住めない場所に変えた」として国際社会にイスラエルへの制裁を呼びかけ、「国連にいる資格がない」とも踏み込んだ。
また、国連安全保障理事会でガザでの人道的停戦を求める決議案に拒否権の行使を繰り返した米政府への「遺憾」を表明し、「米国がなぜ私たちから自由と独立に対する正当な権利を奪う主張ができるのか理解できない」と述べた。
演説を受けてイスラエルのダノン国連大使は声明で、アッバス氏が演説中に一度もイスラム組織ハマスに触れなかったと批判。「昨年10月7日の(イスラエルに対する)虐殺以来、アッバスはハマスの人道に対する罪を非難していない」として反論した。イスラエルのネタニヤフ首相は、27日に一般討論演説を予定している。【ニューヨーク八田浩輔】
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