スイスで安楽死を可能にするカプセルが初めて使われ、アメリカ人女性が死亡しました。地元警察は関係者数人を逮捕しました。

 カプセルの運営会社などによりますと、今月23日、スイス北部メリシャウゼンにある森の中で、安楽死のために開発されたカプセル「サルコ」が初めて使用されました。

 亡くなったのは64歳のアメリカ人女性で、重い免疫不全を患っていたということです。

 サルコはオーストラリア人の医師によりオランダで開発され、カプセル内に入った人が意思確認の後に自らボタンを押すと内部に窒素ガスが充満し酸欠に至るということです。

 地元検察はサルコを押収し、女性の遺体の検死を行うとともに関係者数人を自殺教唆と幇助(ほうじょ)の疑いで逮捕、刑事手続きを進めていると明らかにしました。

 サルコを巡ってはスイス議会で保健相が製品安全法の要求を満たしておらず、窒素の使用も法律に適合していないと指摘していました。

 サルコの運営会社はANNの取材に対し「サルコを用いた安楽死は合法である」との見解を示しています。

 スイスでは「利己的ではない理由」での自殺幇助は罪に問われず、日本も含め海外からも延命治療を求めない患者らが安楽死を求め訪れています。

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