台湾大地震で倒壊した中学校の建物を利用した施設を視察する頼清徳総統(左から2人目)=台中市で2024年9月21日午前11時41分、林哲平撮影

 約2400人の犠牲者を出した1999年の台湾大地震から25年となった21日、震源地に近い中部・台中市の震災記念施設で式典があった。頼清徳総統はあいさつで「大地震が当時の社会に与えた衝撃は甚大なものだったが、25年間で台湾は強じんな精神を発揮して復興をなしとげてきた。複合的な災害への備えは重要課題であり、官民の防災意識を高めていく」と訴えた。

 付近で開かれた防災イベントに参加した建築士、陳威志さん(45)は「大地震後、災害に対する民間人の危機感は大きく高まったと思う。次の世代にも地震の怖さや備える大切さを伝えていきたい」と話した。

 99年9月21日未明、台湾中部を震源としたマグニチュード7・6の地震が発生し、約5万棟が全壊する被害が出た。日本が当時としては過去最大規模の約110人の緊急援助隊を当日中に派遣したのをはじめ、約20カ国から援助隊が入った。

 式典には当時、国際救援隊として要員を派遣した国のうち、日本や韓国、シンガポールなどの窓口機関の代表や消防関係者らも出席した。【台中・林哲平】

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