中国・深セン市で日本人学校の男子児童が刃物で刺され死亡した事件について、地元メディアはきょう、「偶発的な事件」と報じました。一方で動機などは明らかにされておらず、現地の日本人の不安は解消されないままです。
記者
「事件を受けて日本人学校周辺には、新たに複数の防犯カメラが増設されました」
おととい、広東省深圳市で、登校中だった日本人学校の男子児童が刃物で刺され死亡した事件を受け、きのうまでに増設された防犯カメラ。中国当局としては、安全対策を迅速に行っているとアピールするねらいがあるとみられます。
現地メディアはきょう、児童を刺した44歳の男は過去に2度、当局に拘束された経歴があるとしたうえで、今回の事件については「偶発的で単独の犯行」と報じました。
ただ、日本人を狙ったかどうかなど動機は明らかにされておらず、現地の日本人の不安は解消されないままです。
深センに10年以上駐在する日本人によれば、「日本」とわかるようなイベントなどは自粛されはじめているといいます。
深センに住む日本人
「補習校や武術とか日本人が集まる所で行われているケースが多いので、日本にルーツのある人が来るとわかりやすいので、そういう意味で自粛されているのかなって」
こちらは日本人も多く通う深セン市内の幼稚園。看板の上に中国語で「幼稚園」と書かれた紙が貼られているのが確認できます。
園によると、もともとは日本語の看板でしたが、事件を受けて急遽「中国語」を貼り付けたといいます。今後、新たな看板を作ることを検討しているということです。また、別の日本人向けの幼稚園は「当面は休園にする」としています。
金杉憲治 駐中国大使
「真相がはやく明らかになって、日本人社会と共有されることが安心感につながる」
金杉憲治中国大使はきのう、深セン市の副市長に対し、警備の強化だけでなく、真相解明と情報共有についても申し入れたといいますが、中国側がどこまで対応するかは不透明です。
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