中国系動画投稿アプリTikTok(ティックトック)について、国内の10代の利用率が2020年からの4年間で約2・6倍に急拡大していることがNTTドコモの研究機関、モバイル社会研究所が公表した調査で分かった。中国への情報流出や依存症による若者への有害影響の懸念から、欧米ではティックトックの利用を制限する法案整備などが進む。国際的な同調圧力を受け、国内で若年層への利用率がさらに拡大すれば、日本も同様の対応を迫られる可能性も高まる。
調査によると、2020年に20・8%だった10代の利用率は、21年には31・1%へ10ポイント以上増加。23年に42・5%に達すると、24年には55・0%となり、この4年間で最も高い伸び率を示した。一方、国内で最も利用されているツールはLINE(ライン)で、利用率は10代から30代で9割を突破。70代でも75・3%を示すなど、幅広い年齢層で普及していることが判明した。
調査では、年齢層が上がるほどティックトックの利用率が低下している実態も明らかになった。24年の比較では、20代が33・7%、30代が22・3%、40代が14・5%、50代が13・7%、60代が10・1%、70代が6・7%。利用率5割を超えているのは10代のみで、若年層のティックトック利用頻度の高さが際立つ結果となった。
このような傾向は世界でも共通している。最近ではティックトック依存の高まりによる若年層への有害な影響を懸念し、各国では利用の制限などを求める動きも活発化。こうした動きに配慮し、ティックトックを運営するバイトダンスは昨年3月、18歳未満の利用者を対象に、1日の使用時間を初期設定で1時間までに制限する措置を講じている。
調査は2024年1月に実施。全国の15~79歳の男女6440人の有効回答から算出した。
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