2010年当時のライアン・ラウス容疑者=保安官事務所提供・AP

 11月の米大統領選で返り咲きを狙うトランプ前大統領を狙った暗殺未遂とみられる事件で、ライアン・ラウス容疑者(58)は11時間半近くにわたり現場となったゴルフ場の近くの茂みにとどまっていた。トランプ氏を待ち伏せしていた可能性がある。連邦捜査局(FBI)が、裁判所に提出した資料で明らかにした。

 司法省は16日、銃の不法所持の疑いでラウス容疑者を訴追。FOXニュースによると、ラウス容疑者は南部フロリダ州の連邦地裁に出廷した。訴追内容の認否は30日に行われる。

 事件は15日午後1時半ごろ、フロリダ州のトランプ氏が保有するゴルフ場で起きた。トランプ氏がゴルフをプレー中、敷地の境界に近い茂みから銃身が突き出ているのを大統領警護隊(シークレットサービス)が見つけ、発砲した。ラウス容疑者はスポーツタイプ多目的車(SUV)で逃走したが、約45分後に保安官事務所が身柄を拘束した。

 携帯電話の位置情報を解析したところ、ラウス容疑者は事件当日の午前1時59分から午後1時31分ごろまで、茂みにとどまっていた。現場では照準器付きの銃器が押収された。旧ソ連で開発された小銃だった。

 司法省は製造番号を消した銃を所持していた疑いなどで訴追。2002年12月に銃の不法所持の罪で南部ノースカロライナ州で有罪評決を受けていた。【ニューヨーク中村聡也】

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