米国の首都ワシントンの連邦最高裁前で、人工妊娠中絶の権利を認める法制定などを求めてデモを行う中絶容認派=2024年6月24日、秋山信一撮影

 米西部アリゾナ州で1864年に成立した人工妊娠中絶を禁止する州法が14日、無効化された。連邦最高裁が2022年6月に州による中絶禁止を容認する判断を示した後、州法が一時施行され、中絶容認派から「時代遅れの中絶規制」と批判されていた。

 州議会上下両院では今年4~5月、民主党議員と一部の共和党議員の支持で州法を無効化する議案が相次いで可決され、ホッブス知事(民主党)も署名していた。規定に基づき、今年春の議会の会期末から90日が経過した後の14日に州法は正式に無効化された。

 ただ、アリゾナ州では連邦最高裁の判決後に規制が強化され、妊娠15週より後の中絶を原則禁止する州法が施行されている。

 11月の大統領選と同時に行われる住民投票で、胎児が母体外で生存可能になる妊娠22~24週ごろまでの中絶を合法化する州憲法改正の是非が問われる。

 アリゾナ州は大統領選の接戦7州の一つで、中絶問題は勝敗の行方を左右する争点となっている。民主党のハリス副大統領は州憲法改正を支持。一方、共和党のトランプ前大統領は「州民の判断に委ねる」との立場だ。【ワシントン秋山信一】

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