アメリカのIT企業アップルがアイルランド政府から不当な税の優遇を受けているとして、EU=ヨーロッパ連合が最大でおよそ2兆円の追徴課税を求めたことについて、最高裁判所にあたるEU司法裁判所は10日、EUの決定を支持する判決を下しました。
EUの執行機関であるEU委員会は2016年、アップルの税負担を低く済ませるアイルランドの優遇措置は違法な補助金にあたると指摘。アイルランド政府に対し、アップルに最大130億ユーロ、日本円でおよそ2兆円に利息分を加えた額を追徴するよう求めました。
2020年、一審にあたる一般裁判所は、アイルランドとアップル側の訴えを認め、EUの指示を取り消す判決を下し、EUが上訴していました。
最高裁判所にあたるEU司法裁判所は10日、「違法性を十分に証明していないという一般裁判所の判断は誤りだ」として一審判決を破棄し、EUの決定を支持する判決を下しました。
判決を受け、EU委員会は会見で「ヨーロッパ市民にとって大きな勝利だ」と述べる一方、アイルランド政府は、「いかなる企業や納税者も優遇していない」と改めて主張したうえで「裁判所の判断を尊重する」という声明を発表しました。
また、AP通信によりますと、アップルは「今回の判断に失望している」とコメントしています。
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