記者会見に臨む野党連合候補のゴンサレス氏(左)とマチャド氏=カラカスで2024年7月25日、中村聡也撮影

 ベネズエラ大統領選に立候補した野党連合候補の元外交官ゴンサレス氏が8日、スペインに到着した。ゴンサレス氏は7日、妻らとスペイン側が用意した空軍機で出国していた。今後、政治亡命に向けた手続きが始まる。

 ゴンサレス氏を巡っては、独裁色を強める反米左派マドゥロ大統領の影響下にある裁判所が2日、大統領選に絡む扇動や文書偽造などの容疑で逮捕状を出していた。

 ロドリゲス副大統領が7日にインスタグラムに投稿した声明によると、ゴンサレス氏はここ数日、首都カラカスのスペイン大使館に滞在していた。マドゥロ政権は「国の平穏と政治的な平和のため」に出国を認めたとしている。

 7月の大統領選で、選挙管理当局はマドゥロ氏の勝利を発表。最高裁も8月下旬、これを認定した。だが、選管は全国に設置された各投票所の詳細な集計結果を公表していない。不正選挙を訴える野党側は各投票所の集計結果を独自に8割超入手した結果、ゴンサレス氏が得票率67%で勝利したと主張していた。

 野党支持者からの人気が高く、ゴンサレス氏と二人三脚で選挙戦を展開したマチャド元国会議員は8日、X(ツイッター)に「彼の命は危険にさらされていた」と投稿し、身を守るために出国したと述べた。ただ、ゴンサレス氏について「外から戦う」と強調。捜査当局はマチャド氏も捜査対象に加えているが、「私はここで戦い続ける」と自身はベネズエラにとどまる決意を示した。

 マドゥロ政権は野党側への弾圧を強めており、これまでに、大統領選後に発生した抗議デモに関わったとして市民ら2400人以上を拘束した。人権団体によると、死者は20人を超えている。【ニューヨーク中村聡也】

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