パレスチナ自治区ガザ地区の停戦交渉を巡り、米ニュースサイト「アクシオス」は8日、仲介国の米国が、停戦に向けた戦略を再検討していると報じた。イスラエルとイスラム組織ハマスの隔たりを埋める新たな停戦案を近く提示するとみられていたが、折り合いがついていない模様で、提示が延期される可能性がある。
ブリンケン米国務長官は5日、新停戦案を「数日以内に共有する」と表明していたが、アクシオスによると、米政府高官は、すぐに停戦案が提示される状況ではないと明らかにした。米国は仲介国カタールなどと停戦案の詳細について協議は続けているが、双方の溝を埋める形にはなっていないという。
停戦交渉では、ネタニヤフ首相が、ハマスの武器密輸を防ぐため、エジプトとガザの境界地帯に軍の駐留を続けることを主張。軍の完全撤退を求めるハマスとの間で、交渉は平行線をたどっている。一方、ハマスも拘束している人質の解放と引き換えに、大量のパレスチナ人囚人の釈放を求める新たな要求を出し、妥協点を探すのが困難になっている。
ガザ地区では、8日もイスラエル軍の攻撃が続いた。ガザ保健当局は8日、昨年10月の戦闘開始以来のガザ側の死者が4万972人になったと発表した。一方、感染拡大が懸念されるポリオ(小児まひ)の予防接種も行われていて、接種の間は時間と地域を限定し、戦闘は一時休止されている。【エルサレム松岡大地】
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