岸田文雄首相は6日、韓国・ソウルを訪問し、大統領府で尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と会談した。第三国で紛争などの緊急事態が発生した場合に、滞在する日韓両国民の保護に関する協力覚書を締結。2025年大阪・関西万博などを見据え、日韓両国民が相手国に入国する際の手続きの円滑化に向けた具体策を検討することで一致した。
首相は会談の冒頭、「現下の戦略環境の下、日韓の緊密な連携は地域の平和と安定に向けて不可欠だ」と述べた。尹氏は「韓日の協力を引き続き進展させるためには、私と首相が築き上げてきた両国間の協力の前向きなモメンタム(勢い)を継続的に維持していくことが重要だ」と語った。
両首脳は会談で、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮への対応も協議し、引き続き日韓で緊密に連携して対応していくことで一致。尹氏は北朝鮮による拉致問題に関し、日本を支持する考えを伝えた。
首相の訪韓は、日中韓首脳会談に出席した今年5月以来。首脳同士が相互訪問する「シャトル外交」の一環で、在任中は最後となる。会談後、記者団に「日韓首脳が頻繁に往来して、率直な議論を続けることが不可欠だ」と語った。
また首相は、自民党総裁選(12日告示、27日投開票)について「派閥単位ではなく、政策本位の総裁選にしていかなければならない。自立した議員としての判断、見識が問われる。私自身もしっかりと判断し、1票を投じていきたい」と記者団に語った。出馬表明した候補予定者が発表した政策に関しては「今の段階でコメントすることは控えなければならない」と述べるにとどめた。【ソウル園部仁史】
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