ロシアの同盟国ベラルーシの国営メディアは、拘束された日本人男性に関する特別番組を放送し、スパイ罪で起訴されたと報じました。しかし、日本語からロシア語への翻訳が全く違う内容になっているなど、放送内容の信憑性には疑問も残ります。
ベラルーシ国営テレビ
「ベラルーシの歴史上初めて日本の諜報機関の活動が弾圧された」
ベラルーシで拘束された元日本語講師・中西雅敏さんについて、国営テレビが5日に放送した15分間の特別番組「東京から来たサムライの失敗」。
番組では、中西さんが6年間にわたり、駅や空港、軍事施設などの写真9000枚を撮影したとして、7月に日本に帰る前に拘束され、「公安警察の協力者」で外国諜報機関に協力したとして、スパイ罪で起訴されたと伝えています。
中西雅敏さん
「(Q.これが犯罪であることを理解していますか?)はい。(Q.それに同意しますか?)はい」
ただ、こうした映像は当局の監視下で撮影された可能性もあります。別の疑問も…。
中西さんが諜報機関の上司に送ったとするSNSのメッセージでは、日本企業を取り巻く状況について「ベラルーシ進出はかなり厳しい」などと綴られていますが、そこで表示されたロシア語の訳では…。
ロシア語翻訳
「最近の攻撃に関しては、アメリカによる偽装工作のようだ。こちらでも同じようなことが起こることがあれば、すぐにお知らせします」
と、原文と全く違う内容になっているのです。
さらに日本の諜報機関の上司として取り上げられた男性にJNNが問い合わせてみると、男性は諜報機関との関係について「事実無根。普通の会社の経営者です」と答えています。
日本政府は事前に放送を中止するようベラルーシ政府に抗議していたことを明らかにし、邦人保護の観点からできる限りの支援を続けていくと強調しています。
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