台湾の台北地裁は2日、汚職容疑で先月31日に台北地検に逮捕された立法院(国会)の第三勢力「台湾民衆党」の柯文哲(かぶんてつ)主席(党首)に対する勾留請求を却下した。柯氏は2日未明に釈放された。地裁は検察の主張を裏付ける証拠が不足していると判断した。
柯氏は釈放後「検察は押収した資料をもとにストーリーを作り上げた。この2日間は抑圧と陵虐の極みだった」と検察の捜査姿勢を批判。地検前に集まった支持者から拍手を浴びた。
検察は台北市内で商業施設整備を計画した民間業者の求めに応じて、2020年ごろから市側が容積率を不正に高くする便宜を図ったとして捜査。当時市長を務めた柯氏も関与した疑いがあるとして、30日に柯氏の自宅などを捜索した。その後、夜間の事情聴取を拒否したとして柯氏を逮捕していた。
地裁は容積率を高めた市の判断について、柯氏が違法と認識していたとは認定できないと指摘した。
民衆党や最大野党の国民党からは「検察は政治的な干渉を受けるべきではない」と批判が上がっている。【台北・林哲平】
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