中国で台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室(国台弁)の陳斌華(ちんひんか)報道官は2日、台湾産かんきつ類のザボンの輸入を同日から再開すると発表した。病害虫の検出などを理由に2022年8月から輸入を停止していた。中国側は台湾野党・国民党からの働きかけを強調。野党を後押ししつつ、頼清徳政権に圧力をかける狙いがあるとみられる。
国営新華社通信によると、陳報道官は禁輸措置解除の理由について「国民党や台湾・花蓮県の関係者はザボンの安全性を確保してきた」と説明。「台湾独立に反対する限り、両岸(中台)は一つの家族であり、家族の問題は話し合いで容易に解決できる」とも述べ、中国が「独立勢力」とみなす与党・民主進歩党(民進党)をけん制した。
中台を巡っては、8月22日に、台湾野党・国民党の立法委員(国会議員)や台湾の離島、金門島関係者らが北京で、国台弁トップの宋濤(そうとう)主任と会談。これを受ける形で中国文化観光省は8月30日、福建省住民による金門島への観光を近く認めると発表している。【北京・岡崎英遠】
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